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修論受領

昼からコンペの打ち合わせして、新幹線に飛び乗る。車中ジンメル川村二郎編訳『ジンメルエッセイ集』平凡社1999を読む。読みたいのはこの中の「アルプス」と「廃墟」。「アルプス」は美の要素としての大きさに注目する。その意味では崇高論である。風邪のためかアルプスを読んでうとうとしていたら佐久平である。今日は空気が澄んでいて佐久平の高原が実に美しい。しかし佐久平が美しく見えるのもほんの1分くらいである。その間だけ新幹線脇の防音パネルがないのである。駅を出て少し進むと防音パネルが窓高さに出てくる。そして高原は見えない。この高原の雄大さはまさにジンメルの言うところの大きさである。一度新幹線からではなくこの大きさを味わってみたい。4時に研究室、修士論文を受け取る。主査7つ副査が12。計19の修士論文である。1000字梗概を先ずは全部読んでみる。読んで大体分かるもの分からないものさまざま。自分の部屋のものを他の部屋のものと比較してみる。どうも体裁が悪い。歴史の論文の方が資料の扱いとかコピーとか図版とかしっかりしていて見栄えがいい。意匠の部屋であるうちの方が体裁が悪い。困ったものだ。今年は量が多すぎて少し時間をかけないとどうにもならない。帰りのアサマでラスキン内藤史朗訳『芸術の真実と教育』法蔵館2003を読む。この本は三巻本。僕の読みたいところはどうも第二巻のようだ。

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