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成人の日

朝から学内で使うパワポを作っていた。20分話すから20sheets。午前中に終わるかと思ったが2時ころまでかかった。その後、今日はどこにも行かず家にいた。家族は皆どこかに出かけたおかげで僕はのんびり静かな一日である。犬飼隆『漢字を飼い慣らす』人文書館2008を読んだ。年初から古典づいている。特に松岡正剛の「仮名の発明は日本の最大の発明」という言葉の影響が大きい。この本も日本人が日本の字を持たず、漢字を使って日本の発音を表記してきた歴史を綴っている。改めて複数の字体と、多様な発音(音読み訓読み)を駆使してきた日本語に恐れ入る。そしてわれわれはその昔から外来語(漢字)を変化させて自国のものとしてきた国民であることを再認識。カタカナ語が氾濫する現在の日本語は伝統なのかもしれないと妙に納得してしまう。夕食後、濱下昌宏『主体としての美学―近代日本美学史研究-』晃洋書房2007を読む。「美学」という翻訳語を作ったのは「哲学」という翻訳語を作った西周。因みに慶応や芸大で美学の講義をしていた森鴎外の訳語は「審美学」だったとか。
夕刻、高校サッカー決勝戦最後の10分をテレビで見た。鹿児島の高校にジャパン級のストライカーがいたが広島の高校が初優勝した。1点リード後、相手陣奥でのボールキープが巧である。高校生は上手くなった。
そう言えば今日は成人の日。夜、「爆問学問」に糸井重里や立花隆が登場し、自分たちが大人になったと感じたのは40過ぎだったと言っていた。さてそう言われると自分はと考えてしまう。うーんそんなことは考えたことも無かった。もちろん成人式など出る気もなかった。これは難問だ。就職して最初の給料をもらった時か?結婚した時か?子供が生まれた時か?事務所を作って給料を払った時か?と考えてみたが、どこかの時点で自分が大きく変わったという意識がまるでない。いいことか悪いことか分からないけれど、その意味ではまだ子供。モラトリアムと言って学生を責めることも当分できないかも?

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