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大多喜町

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コンペの敷地である千葉県の大多喜町に行く。電車で行くものと思っていたが、調べると高速バスが早い。電車よりバスが早いとは???なぜかよくわからぬまま東京駅からバスに乗る。アナウンスが流れこのバスがアクアラインを通り、東京湾を横断することを知る。であれば早いはずである。そしてこの自らデザイン監修したアクアラインに開通後初めて通ることを知りちょっと興味深い旅となった。東京駅を出発して川崎まで湾岸の高速道路を地上と地下を交互に進む。そのためかどこからアクアラインに入ったのかが分からぬまま10キロのトンネル。光が見えたところはすでに海ほたるを過ぎた橋脚の上。後方に過ぎ去った海ほたるはどこだろうなんて目を凝らしているうちに木更津であった。ここから1時間房総半島の中央めがけて進む。このあたりはその昔数回ゴルフに来た場所であり、そしてそこはとんでもない山奥だった記憶がある。記憶通り大多喜町はひなびた集落。町の中央まで歩き、そこで昼飯、スタッフに美味しいものを探しておいてと頼んでおいたら、ソバかとんかつだとか。別に名物と言うわけではなく、それしかレストランがないということのようだ。ソバを選ぶ。結構うまい。満足。駅前で鯛焼きを食べそしていざ町役場、土曜日だが職員が数名。お願いして屋上をみせてもらう。今井兼次独特のガウディに影響されたと自ら語るタイル細工の壁面を見る。この役場ができた1959年に僕も生まれた。僕と同じだけ生きてきた建物だと思うと感慨深いし、その年に今井がモダニズムに対抗してガウディの影響を明示しながらこの建物を設計したその反骨精神に頭が下がる。役場が見下ろせる丘の上にある大多喜城の復元まで登り町を一望。低い山並と林の連続。長野でもない、武蔵野でもない、房総のランドスケープを感じた。

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