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東京は温かい

6時の「ニイハオ」モーニングコールで目が覚める。軽く朝食をとり7時の迎えのタクシーでプードンへ。早朝は高速の渋滞がなく気持ちいい。しかしこちらのタクシーは寒いのに暖房をいれてくれないから凍えそうである。気遣いがない。8時半には空港に到着。プードンの新しい第二ターミナルはとてもきれいだ。第一と似たような波打つ屋根だがインテリアが洗練されている。余った元で少し買い物をしてからCA(China Air)に乗る。CAはANAと、MU(中国東方航空)はJALと共同運航している。多分それなりのサービス教育を日本の会社から受けているのだろうが、どちらもあまりいいサービスとは言えない。その上成田についてバゲージクレイムでアルミのスーツケースを受け取るとと見事にこぶし大のへっ込みが付いていた。派手に投げられたのだろう。まあ建築から、ホテルから、タクシーからいろいろなことががさつである。この調子だと文化は洗練されないぞ!!!タクシー、飛行機の中で松岡正剛『日本という方法=おもかげ・うつろいの文化』日本放送出版協会2008を読む。松岡は日本文化に二つの流れを見る。静かな日本と賑やかな日本。前者は俳句、和歌、能、日本舞踊、禅庭、数寄屋、などの省略の文化。一方後者は歌舞伎、東照宮、お祭の山車など華麗で過剰な文化。日本文化を縄文、弥生の二つの流れに分類対比するのは既に多くの人が行っている。僕の研究室で修士設計をやっているm君もそんな対比を読み換えて、「自然浸透型」と「自然表出型」なんて命名している。しかし松岡はこれらはどちらも日本の文化であり、実はその表層の対比の裏には共通の方法が隠れているという。そして話は古代日本に移り、倭の国から日本が生まれ、仮名の発明へと進む。今まであまり興味のなかった古代日本が現代文化と密接な関係を持って見えてくると急に興味深くなってくる。松岡は日本オリジナルで最も貴重な文化的発明はと聞かれたら迷わず仮名文字と答えるだろうと言っている。なるほど確かに日本人のこの不思議な輸入咀嚼文化の根っこがここにある。成田からリムジンで東京駅、丸善で来年用のノートなど買い帰宅。東京はだいぶ温かい。コートの下で汗をかく。

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