戸田君の仕事
朝8時からk-projectの施主定例。現場は基礎配筋がほぼ終了している。台風一過の快晴で短時間に終了。8時に現場はさすがに応えるが、出勤前にやりたいという施主の意向で仕方ない。事務所に戻り九州プロジェクトのインテリアのスケッチ。大空間のインテリアをただ単一素材でやるのではなくもう少し変化をつけてみたい。空間の大きなスケールが分からなくなってしまうような作り方はないだろうか?あるいはその逆のような。
朝早く起きたからなのか、昼が少なかったからなのか夕方になったらエネルギー切れ。四谷で夕食をとって夜のアサマに乗る。車中、戸田穣君から送られてきたクロード・パラン戸田穣訳『斜めにのびる建築』青土社2008を読む。戸田君は『言葉と建築』の共訳者であり、現在パリで勉強する学徒である。素敵な装丁の本に仕上がっている。先ずは訳者による解題があるのでそこから読み始める。彼によればミースを含めてモダニストとは過去との断絶を引き起こした革命家ではなく、水平垂直建築の過去を結晶化させたに過ぎない。真の革命家は斜めを生み出したパランであり彼こそが現代建築の潮流の契機を作りだしたのだという。まあだいたい同感である。そのあたりは拙著『建築の規則』の斜線性のあたりにも詳しい。訳ができたのはだいぶ前だったようで出版の機会に恵まれたのは嬉しいことである。