教育
朝から大学院の入試。この暑さにもかかわらず、面接室のクーラーの調子が悪く先生も受験生も体力勝負である。まあ建築だからそれに耐えるのも能力か?午後会議。合間に昨日駅で買った『中高一貫教育』ちくま新書2008を読む。考えてみれば我が家は僕もかみさんも娘も中高一貫教育だった。中高一貫というのは東京では私立や国立の附属で行なわれているが、高校からの受験生をとらない最近の私立の風潮を指すようである。そもそも地方に行くと公立の中等教育の質が高いのに東京は私立が頑張っているのは何故なのか?60年代に高校進学者が急増し、65年には都立高校の収容力が44%まで落ち込んだからだと言う。そのころ私立(あるいは国立)の受け皿が必須となり、そしてその後都立の学区制による平準化が行なわれ、それに対して私立が徹底した受験学校化したところにその原因があるようだ。この状況は基本的にはあまりいいことではない。そもそも私立しか上級な教育が出来ず、私立しか優秀な大学に行く道が無いというのは社会格差を助長する困った状況である。都立高校も現在中高一貫教育に精を出しているが更なる質の向上を期待したい。教育は行政の最優先事項であるはず。オリンピックをやっても良いがその経済効果で都立高校の教師の給料を上げて、校舎を一新し最良の教育を無料で供給して欲しいものだ。