形式と現実
朝某ミーティング、午後九州プロジェクトの打合せ。打合せというよりはその場でスタディというところである。アクティビティの流れはある程度できてきたのだが、、、、
昨日坂本先生と電話で話をした時に、水無瀬の増築が新建築7月号に載っていると聞いた。そういえばその号は読まずに本棚に突っ込んでいた。水無瀬の母屋は相対的に強い垂直的な形式性を持ち、ハナレは緩く水平的な形式性を持つ。そしてそれらが中庭を介して接続する。と説明されている。この説明は本物を見た時に感じたことでもある。また、この号には久しぶりに坂本先生の論考「構成形式と現実の緊張関係によるスケールから生まれる詩的インパクト 」が掲載されている。この論考は読んで即座に理解される。建築家とはある種の形式を設定し、設計を始めるのだが、その形式性は変化無く持続できるものではない。様々現実的な条件(法律、コスト、敷地など)によって崩されていくものである。そしてこうした現実との衝突によって形式はよりリアルなものへと生まれ変わると述べる。あるいは形式が形式主義に陥らないためにもこうした現実化の過程が必要だと説く。この論考の主旨は明快である。しかしあまりに判明なこの趣旨が一体どれほどの内容を持つことなのか、何を本当に問い質したいのか、実はまだ本当の理解に到達できてはいないかもしれない。今度お会いした時によく聞いてみたいところである。