分析的コラージュ
2月17日
早朝、皆起きてくるまでその辺に転がっている洋書を飛ばし読み。遅めの朝食。そろそろ本気で早稲田で行なう講義のパワポ作りを始めないと間に合わない。下地は後期ゼミで学生といっしょに作ったもの。先ずはこの作業に何日費やせるか確認。多くて正味12日。厳しいなあ。一つを完成させるのに1.5日というところ。今日は階級論をやろう。しかし考え始めて買っていたつもりのウェンブレンの本が無いことに気付く。アマゾンに注文。目次を作り変えてとにかくシンプルで無理の無い論理構成へ変更していく。結論のあたりがやはり難しい。学生の結論はひねりをきかそうと苦労しているのだが意味不明。かといって気の利いたオチが作れるかと言うとそう簡単にはいかない。結論は後回し。最終のアサマにのる。車中再びコラージュ論。今日はジャン・アルプのコラージュ。ダダイストアルプのコラージュは「偶然の法則」で有名。著者の分類では分析的コラージュと呼ばれるもので、自分の作品を切断して再度継ぎ合わせるものである。クレーの場合は直線で切断(鋏で切断)していたが、アルプは手でちぎってそれを床にばら撒くという手法を多用したようだ。また曲線が集積したような版画を切断していくつかのつぎはぎを作っている。そこに完成した作品はあたかも最初からそうであるかのような偶然の驚きがなく、むしろ計画的な美が感じられる。
クレーやアルプの作品をみていると、建築においてもこうした分析的コラージュの手法が有効に思えてくる。今度どこかで試してみたいものである。