日曜日
1月27日
早朝230ページ分の原稿校正を終えた。終えたといっても実は編集者の要求にすべて応えられてはいない。登場人物の生没年を明記せよという指示があるのだが、どうしても調べのつかない人たちがいる。まだ生きている評論家や歴史家の生まれた年というのは個人が発表を控えている場合は調べがつかない。外人ならなおさらである。本書の性格上そこまでは要らないのではないかという判断を下し、速達で出版社へ送付。肩の荷が一つ降りたので目黒の庭園美術館に「建築の記憶展」を見に行く。この美術館は駅から少し遠く不便だが、門から玄関までの木立が素晴らしい。展覧会は19世紀末から現在までの建築写真400点をクロノロジカルに並べて見せるものである。既に見たことのある名作も多々あるのだが、こうして全部が一列に並べられていることに意味がある。ばらばらに見ているときは気がつかないことが、一気に見ることで見えてくる。(コラム参照http://ofda.jp/column/)。
帰宅途中に先日お会いしたクライアント候補kさんの家のアイデアがふと浮かんだ。kさんはアパートが付帯する長屋を作るか自邸だけを作るか迷っていたのだが、僕は少しリッチな貸室を一室だけ付けることを勧めた。その理由は一室なら、空き室がでるリスクが少ないのと、初期投資が少なくてすむこと。一方黒字に転ずるのが8年後くらいで定年の頃にはお小遣い程度の収入が定期的に入ること。それに一室なら、敷地をかなりゆったり使えて肝心の自邸のクォリティが高まること。そんなアイデアがふと頭の中で少し形になったので帰宅後スケッチを描く。まるで即日設計試験のようである。サインペンと色鉛筆で1/1ooのプランを描きスキャンしてpdfでメール。夕食をとって最終のアサマに乗る。