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哲学と建築

昨晩帰るときに雪がちらついていたので心配だったが幸い今日は晴天。一日大学試験の手伝いであった。事故もなく無事終了し、一安心である。空いた時間に木田元の『反哲学』新潮社2007を読む。木田元の哲学入門書は本当に分かりやすいのだが、この本も実にいい本だ。哲学ってこんなに面白いし、楽しいし、分かりやすいということを教えてくれる。こういう本を高校の教科書にでもすればいいと思うのだが。木田によれば哲学とは何の役にも立たないもので、できることなら一生かかわらずに終われるものならそのほうが余程いいそうだ。「子供のための哲学入門」なんてとんでもないとのこと。確かにそうなのかもしれない。そういえば谷川渥さんも美学なんて何の役にも立たない学問だと言っていた。ただ好きだからやっているだけだとか。そうねええ。そうかもしれない。客観的にみて文学は工学やら、法学、経済学などに比べたら人のためにある学問ではない。しかし工学といえども建築なんてものもこと意匠に関して言えば、人の役に立つとか立たないとかいう問題とはちょっと違う。下手をすればとてつもなく個人的であり、また全人間的でもある。そんな両極を彷徨っている。そう思えば木田元の言っていることはよく分かる。できることなら子供にはなって欲しくない職業#1である。

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