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ヘタうま

大学のとある施設のスケッチをしていたのだが、知っているようで周囲の建物の間隔や、周囲の樹木の位置などが思い出せない。研究室を出て敷地の周りをうろうろしながらぼーっとしていたら、うっかり委員会の時刻を失念しそうになる。会議が2時間くらいで終わって学生と夕食。委員会の内容を資料にするのに2時間くらいかかってしまう。その後椹木野衣の『なんにもないところから芸術がはじまる』の残りを読んでいた。その中にヘタうまの話が書いてある。ヘタうまの画家湯村輝彦が「ヘタうま」、「ヘタヘタ」、「うまうま」、「うまヘタ」というヒエラルキーを作ったという話(湯村の序列は最初が高価値でだんだん下がる)。ここで「ヘタうま」と「うまヘタ」は異なり、前者がヘタをうまく描くことであるのに対して、後者はうまいになりきれないことのようだ。因みにヘタヘタは子供の絵の如く自らの感覚と世界とのずれがナイーブに露呈することであり、うまうまうはそれを技術で隠蔽した所謂本当に上手いということである。このヒエラルキーはおよそすべての表現にあてはまるだろう。音楽、文学、そして建築にも。
うまヘタの建築家はきっと一杯いる。それは他のジャンルと同様である。うまうまは例えば、黒川紀章(と、篠原先生は言っていた)あるいは竹中や日建のすぐれたデザイナーたち。ヘタヘタは難しい。敢て言えば篠原一男、あるいは像設計集団。そしてヘタうまは?うーん本当は器用な坂本一成とか、、、、、まああくまで直感的な感じではあるが。

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