整理術
佐藤可士和の『佐藤可士和の超整理術』を読んでみた。どうも広告代理店出身の人の言葉は上滑りしているようで苦手なのだが、彼の言っていることはとても基礎的である。彼はいい仕事をするには整理が必要で、それは空間整理、情報整理、思考の整理の3つだという。空間整理の基本は身の回りの整理。ものを捨てろ、鞄を持つな、机の上に物を置くな。と徹底している。情報整理は、1状況把握、2視点導入、3課題設定という3つが基本だそうだ。どれも企画をやるときの常道と思われる。企画に近道なしということだろうか。彼のヒット作は着実にこのプロセスの上で行なわれている。国立新美術館のロゴコンペで「新」をロゴにしたのもこのプロセスを丹念に繰り返した末のようである。あの美術館には10回以上行っていると思うが、「新」のロゴは網膜に焼き付いている。