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ファッションと建築

12月7日
後期後半課題で敷地見学。僕の設計した長野県信用組合のはす向かいの敷地。県信の西沢さんにはあらかじめ60名くらいの学生が周囲をうろうろしますからと電話をしておいたら顔を出された。立ち話をしていたら当時の理事長(現在相談役)が偶然降りてこられた。長野に来てから最初にご挨拶せねばならない人だったにもかかわらずできなかったので赤面である。建物が10年たっても新品同様で今年の景観大賞部門賞を受賞したことを喜んでいらっしゃった。ほっとする。建物内のカフェで西沢さんとコーヒーを飲む。床はぴかぴか屋上庭園の植栽はきれいに剪定されており嬉しい限り。不具合は電動の可動部に多く発生しているとのこと。ブラインドやら排煙窓やら。竣工後のこうしたご指摘は貴重な情報である。
敷地見学が終り東京へ。車中、成実弘至の『20世紀のファッション文化史』をやっと読み終えた。19世のオートクチュール創始者ワース、10年代の優雅なポワレ、戦前を制したモダニストシャネル、30年代のアーティストスキャパレッリ、戦後アメリカの大衆消費社会に並走したマッカーデル、戦後のニュールックディオール、60年代若者の代弁者マリークワント、70年代のパンク、ビビアンウエストウッド、80年代の脱構築コムデギャルソン、そして90年代のグローバルブランド時代、それに対抗するマルタン・マルジェラ。この各年代ごとの特性にはそのまま建築家をあてはめることができるような気がした。ワースには世紀末の誰か、ワースにはアールヌーボーの誰か、シャネルにはコルビュジエ、スキャパレッリには未来派の誰か、マッカーデルにはイームズ、ディオールにはサーリネン、マリークワントにはアーキグラム、ウエストウッドには?、コムデギャルソンにはりべスキンドあたりか?、グローバルブランドは日建?som?,そしてマルジェラは青木淳あたりか?
この本自体かなり建築とファッションの相関関係を意識しているが、同じ表現の潮流として両者に関係がないわけがない。
7時新宿。仕事でロンドンから出張してきた友人を囲んでちゃんこを食べる。ヨーロッパではご多分に漏れず、東京のミシュラン指定のレストラン数が話題だとか。山本益博の息のかかったところが指定されているというのが某広告代理店の中での評判だそうだ。ロンドンのテレビには毎度彼が登場していたそうである。

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