二川さんとジェフリースコット
午前中大学の書類作り。昼をとってアサマに飛び乗り辺見から送られてきたジェフーリスコットに関する英語の論文を読む。実に読みいい。スコットはリップスの感情移入理論に大きな影響を受けている以上にドイツのフォルマリズム、特にヒルデブラントひいてはカントの影響を受けていると言う(tasteが重要な概念になっているのだからさもありなんだが)。そしてそんなスコットを著者はガダマーと比較する。先日このブログでもガダマーとスコットについて書いた。そこではガダマーが真理奪回に方法主義否定からフマニスムを促したという鷲田の指摘をひき、ガダマーとスコットの共通性を推測したが、本論分はその逆でガダマーの解釈学に対してスコットは対象に意味を見出すことの無意味さを主張したという指摘だった。もちろんこの二つの話は矛盾はしてないのだが、ちょっと頭が混乱する。
事務所で雑用。大武さんに明日の現場の様子を聞いてから帰宅。風呂で五十嵐太郎の『美しい都市・醜い都市』中公新書クラレ2006を読む。一章、二章は面白かったのだがその後は世界旅行という感じでちょっとストーリーが感じられない。GAJAPANの100号を読む。写真が綺麗である。伊東さんと二川由夫さん(息子の方)の篠原インタビューを興味深く読む。伊東さんが二川親父と篠原さんは仲が悪かったのでしょうと質問。「親父は概念より視覚の人」と言っているのが電車で読んだスコットそのもので思わず笑った。上記論考ではスコットのような視角優先のフォルマリストの美学の特質はnonconceptuality of aesthetic judgementと表記されていた。なるほどnoncocepturalityとは正に二川さんにぴったりである。