マザッチョ
念願のマザッチョのフレスコ画を見ることができた。ブランカッチ礼拝堂の一角にこのフレスコ画はある。マザッチョの先生であるマンゾリーニとマンゾリーニに呼ばれたマザッチョそしてマンゾリーニがフィレンツェからいなくなってその後を完成させたフィリッポリッピの3人の作なのだが僕から見ればほぼ一人の作である。フレスコ画がこれだけ近くでしかも撮影も自由なのはここぐらいかもしれない。岡崎乾二郎の『経験としてのルネサンス』(だったかな??)で詳細に論じられていたのがこのフレスコ画である。その論考は出版時に読んだのだが、すっかり、まったく忘れてしまった。本物を見ても何も思い出せない。今回やっと本物を見られたので日本に帰ったらまた読み返してみよう。
今日は自由に乗り降りできる観光バスのチケットを買い、自由に乗り降りした。コレのおかげで校外の歴史地区フィエゾーレに行くことができた。イタリアの都市もその中心地にいると時代は1000年も2000年も前に遡ってしまう。が、少し中心を外れるとここ100年くらいでできた町並みが現れる。フィエゾーレに登る町並みは僕が学生時代を少しすごしたバーゼルのように少し新しくしかし古い町に敬意を払ったつくりである。
この2階建てサイトシーングバスにはイヤホーンジャックがあり8ヶ国語のガイドが流れている。このガイドが殆ど建築や都市の話でとても参考になる。メディチ家のパラッツォの前でアルベルティの名前が出て思わず降車。有名な中庭に邂逅。都市型パラッツォのコートはアーチも3連しかなく縦長である。この都市では写真でしか見たこと無いものが次から次へと目の前に現れてくる。