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大学行政

教室会議、学科会議、会議の連続。極秘事項があるのでここでは書けないが、学科の運営なるものは会社の運営と変わらない。利益追求団体ではなく、価値追求集団を標榜しつつも、生存をかけた競争がある。それは大学間だけではなく大学内でも起こるものである。民間の会社でも社内部署間での戦いがあるのとまったく同じである。民間の社内の戦いはひとえに利益の多寡によって決着がつく。話はとてもシンプルに定量的である。一方大学というものは、そう簡単ではないはずである。
その昔元名工大の学長であった柳田博明氏にインタビューをしたとき、日本の大学行政の見識の低さを嘆いていた。柳田氏が留学していたイギリスでは、研究とは目先の利益につながることではなく100年のタームで必要と思われることに金をかけるものだという通念があったという。一方それに比べ日本は目先のことしか考えない。コンピューターが流行ればパブロフの犬の如く、コンピューター関連には目を瞑っても予算が付く。馬鹿げていると嘆いていた。大学行政を司る人間には長いいビジョンにたった深い見識が問われるはずなのである。それがひどく欠けているのかどうか正確には知らないが、現在の溺死寸前の大学の生存競争、学内の生存競争というのはなんとも嘆かわしいものである。
午後、須坂のレクチャ、大学内パンフレットのデザイン、その他こまごま雑務をこなしているうちに夜。

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コメント

こんにちは。光岡です。

これは文理関係なく大学では良く起こることなんでしょうね。

学環の水越先生とお話していた際にも、90年代半ばから雨後の筍のように
各地にできた文理融合を謳った「情報○○学科」は、ほんとひどいもの
だと嘆いていらっしゃいました。学生が集まればいいのかと。内実は、ひどい
文理の主導権争いがあったりして。

そうですか、新たな学科というのは本質半分、政治半分だと思います。

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