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第二講お題

本日のテーマはコンテクスト。contextとはcon(一緒に)+text(織った)という意味がある。一個の建築をつくるにもそれは周囲と一緒に織られたものと考えることが可能で、そうした立場をcontextualismというわけである。カントが言うように人間は物を認識する時に空間時間というアプリオリな認識場においてものの量と質と関係と様相を本能的に理解しようとする。建築を見た時も我々の本能はその建物と周囲との関係を見ようとするのである。つまり周囲と一緒に織られたものとして対象建築物を認識しようとするのである。だからその関係性が読みとれないものに対して我々はある種の不快感をあるいは不満足感を感じるものである。たとえばエッフェル塔ができた時にパリ市民はこの塔がパリという街とどういう関係性にあるのかを感じ取ることができず、一応に不満を抱いたわけである。しかしそのエッフェル塔が現在は市民に愛されるものとなっている。これはどういうわけだろうか?関係性の謎である。いったいできた時に関係性が読みとれないものが時間の経過の中で関係性を構築できると言うのはなぜだろうか?現在が過去とrextを紡ぎあげる原理について一考して欲しい。今日の授業で出てきた「現在は過去を変化させる」というTSエリオットの言葉がヒントかもしれない。

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2009年04月20日 21:33に投稿されたエントリーのページです。

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