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第三講お題

今日の講義のテーマはdesignである。そしてこの言葉は両義的な意味を持ってきた。一つは概念あるいはその概念の形象化としての図面。そしてもう一つはその概念(設計図)をもとに作られた建築それ自体である。この概念と物の対概念は様々なものの考え方と関連する。たとえばアリストテレスの形相と質料などである。
建築の歴史はこの石工や大工が身体感覚で作り上げるということに始まり、近世になりやっと芸術という分類に格上げされ、それとともに概念化(科学化)されることで学問としての地位を得た。つまり身体で作るという行為よりもむしろ概念化する(設計図を作る)ことに重きが置かれた。そしてその流れが今でも続いている。図面を書いてから模型を作る構想してから形にするというプロセスをたどることが普通となった。しかし、昨今では模型を作ってからそれを図面化する、つまり形を作ってからそれを概念化する(設計図化)という逆のベクトルをたどる場合も少なくない。
さてここで質問だが、物事は構想を練ってから行動に移すというのが普通であるが、行動してからそれを事後的に振り返って概念化するということもないではない(上述建築のように。しかし厳密に言えば、建築自体を図面なしに建ててそれを図面化するということなのだろうが)しかしはたしてそういう態度は世の中において意味ある行為なのだろうか?そしてそれは何を生み出すのだろうか?そしてあなたはそこに意義を見いだせるだろうか?対象は建築には限定しない。文芸でも音楽でも何でも構わない。適当な対象を掲げて論じてほしい。

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2009年04月27日 19:39に投稿されたエントリーのページです。

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