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第四講お題

さて今日から話は形式になる。形式とは形状と大きさから成立し、一回めの今日は形状の話である。これを「箱と袋」という対義語に言い換え説明した。そしてそこには二つの意味が込められており、一つは純粋に形状として「水平・垂直線⇔斜め線・曲線」という意味。もう一つは設計者にとって『アプリオリな(事前的に決まっている)形⇔アポステリオリ(事後的に決まる)な形」という意味である。もちろんアプリオリなものが必ずしも水平垂直とは限らないので二つの対義語は合同とは言えないが、建築でしかもモダニズムを対象にするとアプリオリなものは箱になることが多いので二つの意味をかぶせて説明した。
次にこの二つの意味の後者について少し考えてみたい。授業ではその部分をコルビュジェとロースの話で終わらせたが、それを発展的に解説してみよう。形をアプリオリに生み出すというのは建築の一つの理想形を模索する中から天啓の如く舞い降りてくるひらめきを形にするということである。こうした造形は理想の形象化である。一方袋建築とははこの対極であり、天から降ってきたものではなく、地上にある潜在的な何かを顕在化させることと言えよう。
さて現代的感覚からするとこの天から降ってきた理想の追求という思考は流行らない。あくまで使用者ありきという考え方が建築に限らず現代的な倫理であろう。しかし本当か?と少し疑ってみよう。物事には常に理想というものがあるはずである。理想なきところに向上はない。その意味で一概にアプリオリな理想を否定するわけにもいくまい。
前置きが長くなったが、今日のお題である。自らの問題意識(建築に関してでもそうではなくても結構)の中で箱的(理想的)な思考と袋的思考(現実的な問題解決の積み重ね)をどのように調停しているか?調停しないか?あるいはその片方に肩入れするか?例を挙げて述べていただきたい。

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