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トーマス・デマンド展


●Thomas Demand Control room 2011

東京都現代美術館でトーマス・デマンドの個展が行われている。ドイツの世界的写真家の日本では最初の個展である。いくつかの展覧会で数店実物を見たことがあるし、写真集ではお馴染みではあるが、まとまってみたのは初めてである。彼はもともと彫刻家であり、次第に自分の彫刻を写真に撮るようになり、そして最後は建築的風景を紙で制作しそれをとるようになった。もちろん普通の写真も撮るが、このリアルな模型写真が彼の真骨頂である。
左も右も、上も下も、手前も奥も同等の明るさと解像度で計算づくでとられた写真はとても均質である。加えて紙で作られたそれは一見それとは分からないのだが、凝視するとディテールに模型である片鱗が垣間見えるだけではなく、紙で覆われた全体の均質感が現実を裏切っていることに気付くのである。
卒業設計の写真をこんな風に撮れたらすごいだろうなあ。

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