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2012年06月30日

アラブ・エクスプレス


森美術館で「アラブ・イクスプレス」という展覧会をやっている。アラビアン・アーティストの展覧会である。東はオマーンから西はアフリカ、モーリタニアまで20カ国以上ある。このうち僕が行ったことあるのはチュニジア、アルジェリア、モロッコ3カ国のみアフリカ大陸のこの国はアラブといってもフランスに占領されておりかなりヨーロッパの風が吹く。元祖アラブのアラビア半島の諸国とはだいぶ違うのだろうと勝手に想像する。
さてアラブへの興味は尽きず、学生時代の上記3国訪問以降も、未だ他者性を与えてくれる文化はもはやアラブしかないと勝手に思い込んでいる。というわけでこの展覧会も興味津津で来たのだが、少々拍子抜け。2次元的作品が多いということにもよるのだろうか?作品が比較的リテラルで直接的。写真のblack fountain何て言うのもベタですね。

2012年06月24日

エルミタージュ展


国立新美術館で「エルミタージュ展」が行われている。
展覧会年代ごとに5部構成特徴的な画家がフィーチャーされる
16世紀ルネサンス、ティツィアーノ
17世紀バロック、ルーベンス
18世紀ロココ・新古典、フランソワ・プーシェ、ユベール・ロベール
19世紀ロマン派からポスト印象派、ドラクロワ、モネ、ボナール
20世紀マティスを中心にマティス
フランソワ・プーシェなんて知らなかったが透き通るような肌色に吸い込まれそう。久しぶりに見たモネの溶けそうな光がいい。マティスはやっぱり好きである。赤い部屋はもともと緑だったらしい。赤を塗って窓から見える緑と対比させている。
現在計画中のオフィスの赤と緑の対比はかなり強烈であることがこの絵からも分かるけれど悪くない。

2012年06月09日

トーマス・デマンド展


●Thomas Demand Control room 2011

東京都現代美術館でトーマス・デマンドの個展が行われている。ドイツの世界的写真家の日本では最初の個展である。いくつかの展覧会で数店実物を見たことがあるし、写真集ではお馴染みではあるが、まとまってみたのは初めてである。彼はもともと彫刻家であり、次第に自分の彫刻を写真に撮るようになり、そして最後は建築的風景を紙で制作しそれをとるようになった。もちろん普通の写真も撮るが、このリアルな模型写真が彼の真骨頂である。
左も右も、上も下も、手前も奥も同等の明るさと解像度で計算づくでとられた写真はとても均質である。加えて紙で作られたそれは一見それとは分からないのだが、凝視するとディテールに模型である片鱗が垣間見えるだけではなく、紙で覆われた全体の均質感が現実を裏切っていることに気付くのである。
卒業設計の写真をこんな風に撮れたらすごいだろうなあ。