建築、アートがつくりだす新しい環境
東京都現代美術館で「0年代のベルリン」展と「建築アートが作り出す新しい環境」展をやっている。ここまで来たので両方見た。ベルリン展もそれなりだけれどとりあえず後者の感想。
建築の展覧会はどんなに頑張ったって「そのもの」があるわけではないから美術館でやる展覧会としてはちょっと他のアートとは違う。彫刻家がその写真とコンセプトだけを展示するようなものである。だから建築家は次のどれかをするしかない。
① アーティストとなって建築とはおよそあまり関係ないものを創作する
② 建築創作の思想をそれに代わる詩的言語あるいは造形物で代替する
③ 徹底して本物を彷彿とさせる何か(映像だったり巨大模型だったり)を提示する。
さてそうやってみると①を選択した人は悪いけれど建築家が本物のアーティストにかなうわけないのだからやめた方がいい。なんだか全く迫力が無い。②を選択した人は残念ながら伝わらない。その本物の脇にそうした思想の根源が置かれているならまだしも、美術館に置いて見る側にそれを想像しろと言っても無理がある。だから結局③をとるのが賢明だと僕には思える。その意味で今回の展示物で最も素敵だったのはヴィム・ヴェンダースの≪ロレックスラーニングセンター≫の3D映像である。近未来映画のようなシーンはフィクションとノンフィクションのボーダーに見る者を誘う。
p.s.ニーダーマイヤはポスターにもなっていて凄く見たかったのだが何処にも展示されていないのはどうして?