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感じる服考える服展


オペラシティのアートギャラリ―で感じる服、考える服―東京ファッションの現在展覧会が行われている。この展覧会、10人のデザイナーの展示それ自体も気分が和らぐ楽しいものが多いのだが、それにも増して中村竜二の会場構成にちょっと驚く。だって目線の高さにずーっと梁がかけられていて先が見えないのだから。いい悪いは別にして展示物より存在感がある。カタログに会場構成の考え方が4ページにわたって載っているのも会場構成の存在をアピールしている。それによれば服は人体あっての服なのだから、展示も場所あっての展示でよいのでは、という発想のもをとに会場を20に区切ることを考えたと言う。それはいろいろな方法があるがその中からこの梁をかけ渡すやり方を選んだそうだ。
これは中村竜二の繊細な技からはかけ離れた無骨でなんのヘンテツモ無い、本当にただの白い梁なのである。ただそれが高さ1メートル50センチのあたりにあるのだ。
僕は展示のファッションを見ながらだんだんと違うものを見ていることに気付いた。それは生身の人の着ているファッションである。
普段僕らはしげしげと人の着ている服をみることはできない。素敵だなと思ったってせいぜい2秒である。それ以上見ていると怪しげな輩になってしまう。しかしこのバーがあるとお互いの目は見えないからしげしげと見ている自分が相手には分からないのである。これは結構不思議な感覚である。面と向かって3メートルくらいの位置でその人の服装をじーっと凝視していても大丈夫である。
これこそが今の東京のファッション観察である。展示が無くても十分展覧会の目的が果たせると言う意味ではこの会場構成は凄いものである。

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