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モダン・アート、アメリカン


エドワード・ホッパー 日曜日 1926
国立新美術館でモダン・アート、アメリカン展が行われている。モダンアメリカと言えば戦後の抽象表現主義がすぐに頭に思い浮かぶが、向こうのその手の本を見れば19世紀末から話が始まるのは常識。
と言うわけでここでも19世紀末のリアリズム絵画から始まる。そしてヨーロッパから印象派を習い、それが抽象化されるのは20年代である。その代表選手は何と言ってもジョージア・オキーフ。草間弥生が憧れた当時の数少ない女流美術家である。そしてオキーフを持って初めてアメリカがアメリカオリジナルの絵を生みだし始めたと感じられる。一方オキーフと同時代にアメリカの都会を主題としてリアリズムを確立していったのがエドワード・ホッパー。これはこれでとてもアメリカらしい。
ところがその後キュビズムが入ってくるとまたヨーロッパの弟子のような姿になるのだが、戦後になって抽象表現主義と呼ばれるアメリカオリジナルのモダニズム絵画が花開く。
僕がUCLAに留学していた80年代はポストモダニズム絶頂期で建築が歴史主義でグレコローマンを具象的に模倣していたのだが、絵画でも抽象化の波は終わり具象が元気だった。大学ではアメリカンアートという授業があり担当教授のチャールズジェンクスは絵画もポストモダニズムの時代であると元気にリアリズム絵画を紹介していた。
この展覧会はその時代の前で終わってしまって少々残念だが、オキーフやホッパーを見るだけでも見る価値はある。

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