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マン・レイとアンセル・アダムス

manray1.jpg
無題(ソラリゼーションによるポートレイト)制作年代不詳 ゼラチン・シルバー・プリント

国立新美術館でマン・レイ展が行われている。オルセー展も行われていてこちらはひどく混雑しているが、マン・レイはそれほどでもない。しかしヨーロッパを巡回してきて更に日本用に70点を加えた本展は滅多に見られることのないマン・レイの作品が多くあるようだ。とういのも数年前に読んだ『マン・レイ自伝』文遊社2007に掲載された50の写真が殆ど展示されていた。マン・レイと言えばその写真手法ソラリゼーションが有名である。「白黒写真を現象する時に通常より過度の光が当たることで起こる、白と黒が反転する現象」のことである。昔ソラリゼーションを見た時にレントゲン写真のようだと思った覚えがある。それは部分的なネガフィルムをみるようなものだから当然である
ところで新国立美術館から歩いて5分のミッドタウンの富士フィルムスクエアではアンセル・アダムス作品展「Portfolio IV」1963年制作』Photographs by Ansel Adams:Portfolio IVが行われている。マン・レイの約10年後に生まれたアンセル・アダムスの作品は白黒のコントラストをめいっぱい効かせて自然を写し取ったものが多い。そのリアリズムはマン・レイのシュール・レアリズムとは対比的である。しかしアンセル・アダムスのリアリズムも一歩間違えるともはや事実そのものとは見えなくなる。この強烈なコントラストはソラリゼーションと紙一重とも言えるのだ。

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