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2010年07月25日

3331 ARTS CHIYODA

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千代田区の練成中学を改修してできた3331ARTS CHIYODAに行って来た。練成がなくなったというのはちょっとさびしい。僕の高校の親友はここの中学からやってきていた。「あの練成が!!」という気持ちである。しかし見事に蘇ってそれはそれで嬉しい。このスペースかなりお金が掛けられているように見える。企画した人と公がキチント仕事をしているということだ。先ず道路に面した校庭が公園になって開かれているところがとても素晴らしい。そしてアプローチの階段が木デッキ。入口は木サッシュの自動ドアに作りかえられている。一階入ったところは広々としたカフェ。その奥に有料のギャラリー。青木さんじゃないけれど、そもそも美術館のために作られていないことのぎこちなさみたいなものが真っ白なペイントと高照度の直付け照明によって強引に隠蔽されている感じが内臓出ちゃったみたいでいいね。2階3階には不思議なギャラリーが並んでいる。ワークショップをやっているところもあるし展示をしているところもある。そう言えば一階には無料スペースにオークションギャラリーがあった。これは面白いね。値札が付いているとアーティストと対話しているような気分になる。「え、これでこの値段?高いでしょう?」逆に「これは安い」と思うもののあった。あれ?よく見ると建築の模型みたいのあるぞ。千葉学というプレート。バルサで作った小さな住宅模型。五〇〇〇円でした。これは実費+搬入料だね。なかなか充実したスペースだと思ってホームページを見ると総合ディレクターは芸大准教授の中村政人さんだった。

2010年07月18日

マン・レイとアンセル・アダムス

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無題(ソラリゼーションによるポートレイト)制作年代不詳 ゼラチン・シルバー・プリント

国立新美術館でマン・レイ展が行われている。オルセー展も行われていてこちらはひどく混雑しているが、マン・レイはそれほどでもない。しかしヨーロッパを巡回してきて更に日本用に70点を加えた本展は滅多に見られることのないマン・レイの作品が多くあるようだ。とういのも数年前に読んだ『マン・レイ自伝』文遊社2007に掲載された50の写真が殆ど展示されていた。マン・レイと言えばその写真手法ソラリゼーションが有名である。「白黒写真を現象する時に通常より過度の光が当たることで起こる、白と黒が反転する現象」のことである。昔ソラリゼーションを見た時にレントゲン写真のようだと思った覚えがある。それは部分的なネガフィルムをみるようなものだから当然である
ところで新国立美術館から歩いて5分のミッドタウンの富士フィルムスクエアではアンセル・アダムス作品展「Portfolio IV」1963年制作』Photographs by Ansel Adams:Portfolio IVが行われている。マン・レイの約10年後に生まれたアンセル・アダムスの作品は白黒のコントラストをめいっぱい効かせて自然を写し取ったものが多い。そのリアリズムはマン・レイのシュール・レアリズムとは対比的である。しかしアンセル・アダムスのリアリズムも一歩間違えるともはや事実そのものとは見えなくなる。この強烈なコントラストはソラリゼーションと紙一重とも言えるのだ。

2010年07月10日

David Adjaye

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ギャラ間に来た。ディヴィッド・アジャヤイ展。久しぶりに見たいと思った。アジャィの作品集は二つくらい以前に買って持っていた。タンザニアの黒人建築家というところがミステリアスだし、事務所を開いて10年くらいで世界的な建築家になったと言うのも謎である。その作風は実に簡素である。色々考えた上で一気に抽象化する。これは彼自身言っている。だから形だけみれば妹島さんみたいだ。しかるにその外装はあでやかだ。一目でアジャヤイと分かる。色と目地の付け方が独特だ。鋼板パネルやガラスパネルを馬目地でつけるのがアジャヤィ記号となっている。でも悪くない。着物の柄のようなもの。アジャイ織である。