アーティストファイル2010・日本のデザイン2010
新国立美術館で「アーティスト・ファイル2010」をやっている。今年で3回目。僕の記憶が正確ならば、今年の作品は比較的静かなものが多い。日本の作家6名と海外から1名。陶器をボルトで連結した彫刻(南野馨)。油彩(桑久保徹)水彩とそれの映像化(石田尚志)。油彩(O・JUN)。泡の写真や映像(斉藤ちさと)。メディアインタレーション(Aernout MIK)そして文庫本を素材とした彫刻(と言っていいのか?)(福田尚代)である。
中でも目を惹いたのは福田の文庫本だった。文庫本を切断しながら部分的に粉をかけたり、古い文庫本の表紙の印刷がしみ込んだようなパラフィン紙を本からとって並べたり、背表紙だけを切断して棒状にして平面に並べるなどである。身近なモノを切り刻み多少の加工をするだけで全然別のものに姿を変えていく様にはっとさせられた。
新国立から歩いてミッドタウンへ。あまり知られていないがここには安藤さんの美術館やサントリー美術館以外にもデザイン・ハブという小さなギャラリーがある。ここでは今「日本のデザイン2010」という企画点が行われている。黒崎 輝男(デザインプロデューサー):「食と学びのデザイン」。柴田 文江(インダストリアルデザイナー):「デザインの湿度」。曽我部 昌史(建築家):「地域とデザイン」。八谷 和彦(メディアアーティスト):「日本の飛行機とデザイン」。廣村 正彰(アートディレクター):「恋愛とデザイン黒崎 輝男(デザインプロデューサー):「食と学びのデザイン」。柴田 文江(インダストリアルデザイナー):「デザインの湿度」という内容である。曽我部氏から案内を頂いたので覗いてみた。
曽我部氏の展示は「日本の都市の未来は、地方の小さな町の変人(!。ここだけの呼び方ですが。もちろんいい意味で、です) 首長が描いている」という仮説にたって、4市町の首長の話をレポートすると言うもの(北海道東川町、兵庫県加西市、徳島県上勝町、大分県竹田市)。今八潮で町づくりをやっているが、やはり独創的な町づくりにはカリスマ的リーダーの強引なまでのヴィジョンが必要と痛感する。