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柳澤潤氏の集合住宅

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柳澤潤氏の成城の集合住宅を見に行った。塩尻の図書館同様、壁柱で9世帯を構成している。すべての世帯が地下一階地上二階、芝生の屋上つきである。一昨年信大のレクチャで見せてもらい、去年は一緒にゲストで行った富山でのレクチャで聞いた。というわけでプランや構成はよく知っていたので実際の壁柱の有効性をじっくりと見せてもらう。先ず壁が内部空間と、外部空間の分量をほぼ半分くらいずつに分けて建てこまれているせいか、内外が等価に見えてくる。つまり内部と外部の空間の密度感が近く、窓越しの外部も内部に感じられてくる。これは密度の問題であり、壁柱の力とはあまり関係ないのかもしれないが、2層分がまっすぐに立ちあがるからそういう風に感ずる部分もある。また壁柱は2層分一度に認知されないと壁柱と気がつかないから、外部からの方がその構成が認知されやすい。中庭は壁柱のデザインがよく見える。また壁柱とすることで、1階と2階が同じ開口率になるのだが、明らかに二階の方が光は入りやすいから二階は少し暑そうである。でもこの暑そうで異様に明るい2階と、涼しそうでちょっと暗がりだけどドライエリアの風が気持ちよさそうな地下のコントラストがこの建物ポイントのように感じた。つまり一つの世帯の中に(集合住宅にもかかわらず)色々な場所があることが楽しい家なのである。

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