「ライト・[イン]サイト」と「都市へ仕掛ける建築ディナー&ディナーの試み」
インゴ・ギュンターの《ヒロシマ-サンキュウ-インストゥルメント》1995
「ライト・[イン]サイト」という展覧会がiccで、「都市へ仕掛ける建築ディナー&ディナーの試み」がオペラシティーアートギャラリーで行われている。二つのスペースは初台のオペラシティの中に隣同志で並んでいる。
「ライト・[イン]サイト」は光の自明性を問うというコンセプト。最近のメディアアートは少なからず光を使用するから際立って何か新しいとも思わないけれど二つほど新鮮な作品に遭遇。一つはインゴ・ギュンターの《ヒロシマ-サンキュウ-インストゥルメント》1995。これは数分に一回発行されるストロボライトが見てる者の影を壁に焼きつけるというもの。焼き付けられた影は数分その影を持続させて消えていくそしてまた新たな影を焼きつける。それはあたかも自分の分身がそこに残されていくような感覚である。さてもう一つはアンソニー・マッコールの《You and I, Horizontal》2006これは微細ミストにプロジェクターの強い光があて光の立体彫刻をつくるもの。ありそうなコンセプトだが、その彫刻の中で戯れる感覚は捨てがたい。
さてもう一つの展覧会ディナー&ディナーは昨今珍し華を消した静かに語る建築展である。見学者にはデーターの乗ったパンフが配られ展示してある模型のナンバーと対照させてそのパンフを読むと言うもの。模型はそれぞれ街区全体模型なのでどれが当該作品かわざと分からないように作られている。ただでさえ周辺と差異を消したなんの変哲もない建築である上にこうした見せ方をするというところがかなりの自信である。登場する建物は昔懐かしいバーゼルが多い。いやー参った。この地味さは本物見ないと全く分からん。