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ジム・ランビー

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原美術館でジム・ランビー アンノウウン・プレジャーズ展が開かれている。数色のカラーテープで床をストライプに仕上げる「ソボップ」や白黒のテープをやはり床にストライプに貼る「ザ・ストロークス」などの作品が有名である。今回はこのザ・ストロークスの手法で原美術館の展示スペースすべてが覆われている。いざ行ってみるとこのビニールテープのような仕上げはその下の床の凸凹やら、フローリングの目地などを上に透かしていることに気付く。普通アーティストは既存の何かに影響されず自己主張しそうなものだが彼のスタンスはそうでもない。つまり何かそこにあったものと新しいテープがスーパーインポーズされているのである。不透明なテープだが重ねられている感があるわけだ。さらにこのシマシマをよーく見ていると原美術館の円弧状の平面とどことなく呼応している。注意深く建物の形を引き立てるように貼られているように見えるのである。そう思ってカタログのインタビューを読んでいると、原美術館の円弧上の平面形について「建物のカーブについて語るような作品にしたかった」と言っている。そうなのだ。彼は既存に自分を重ねていくのである。既存が面白いとまた面白くなるような。まるでリノヴェーションなのである。一見そうは見えないのだがそうしようとしているねじれが彼の魅力のように感じる。

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