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ネオナラティブ

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篠原一男の土間の家を最初に見たのは学生の頃。あれから20年以上たったが、この家は大切に受け継がれ2代目が住まわれている。生きられた家である。ここまで住んでもらえれば建築も本望である。その土間の家のすぐ傍にやはり土間の家のご子息の家が出来た。奥山信一さんの新作である。コンクリートで矩勾配の屋根は初めて見た。平面は正方形。立面はシンメトリー。内部には杉のキューブが浮いている。前作の高円寺の家と同じ形式である。実に幾何学的である。ここから車で10分くらいのところに億ションならぬ億別荘が建っている。建築家5人で建てた建売別荘である。そのうちの一つがアトリエワンの設計である。真っ黒なクリを真っ二つに割って90度開いたような形である。今にも動き出しそうである。ランガーの言説的と現示的シンボルという2分法(平たく言えば、言葉と絵である)を思い出す。もちろん言葉の方が明示的であり絵のほうが暗示的である。篠原先生の建物は象徴主義で幾何学的で建築の中ではどちらかと言えば言説的と思われているのだが、、、今日見た他の二つと比べればはるかに現示的である。奥山氏の建物の強い幾何学性は柔らかなむくり屋根の土間の家よりよほど力強い主張を感じる。アトリエワンの建物は同様にその形成プロセスが物語りのように語られる。もちろんどちらも歴史主義的な象徴主義ではないのだが、、。
あたらしいナラティブアーキテクチャーだろうか?

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