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若松事務所の集住

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若松事務所の集合住宅を拝見しに明大前に向かう。どんよりとした梅雨空。明大前の駅から線路沿いに歩くとメールを貰った外観のエレベーションが見えてきた。エレベーションと言っても開口部は殆どないコンクリートブロックがきれいに積まれた壁である。敷地の境界沿いは写真のように幅2メートルのアクセス空間でコンクリート平板を芝生の中に飛び石のようにおいてある。この法的に必要なアクセス路空間がこの密集地帯に風を通しているように感じた。甲州街道と井の頭通りに挟まれ井の頭線に近接するこの敷地が容積建蔽のかなり低い一住とは想像しなかった。そんな条件なのでこうした平べったい建築が可能なのだと分かった。建物は15戸の庭付き戸建が界壁を共有しながら連続する長屋となっている。こう言うプランニングをすると内側の住戸のプランニング(アクセス)が難しくなりそうなのだが、むしろそういうユニットの方が豊かな空間をとれているように感じた。コンクリートブロックを多用することで技術的に難しいところが多々あるようだがすっきりと解決しているように見える。ディテールは爽やかにこともなげに作られている。勉強させていただいた。この手の30平米近辺のユニットが並ぶ集住は全体構成で勝負して各ユニットはその構成に押しつぶされて本当にこれでいいの?と思うような建築がある中で、各ユニットが豊かな外部空間を確保できているというのが、敷地条件とはいえども巧みな解決だったと思う。そしてシンプルで静かな外観は一見電車の保線用倉庫にも見えるのだが、明大前あたりのごちゃごちゃした場所では、好感が持てるものだった。


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