SPACE FOR YOUR FUTURE
東京都現代美術館でspace for you future展が行なわれている。建築からアートまで幅広いジャンルの作品が展示されている。巷のポスターなどではタナカノリユキのerikaが使われている。沢尻えりかの100変化という作品である。
作品のジャンルの幅広さが展覧会を散漫なものにしそうなのだが、そうでもない。そう感じるのは空間がテーマだからかもしれない。全体を見渡し印象的だったのは石上純也の四角い風船。東現美の吹き抜け中央ホールに巨大な銀色の四角い(と言っても立方体ではなく変形した直方体である)物体が浮いているのである。なぜか少しずつ動いている。カプーアを髣髴とさせる巨大彫刻だが、もっと軽やかである。巨大なものがひどくゆっくりと動いている。フセイン・チャラヤンのledでひかるドレス。普通のただのスカートが点滅している。カールステン・ニコライの映像インスタレーション。空気中に霧を噴霧してその中に音と光を投射している。光はゆっくり動いている。ここにもスローな流れが感じられる。AMIDアーキテクチャーの鳥の羽で覆われた建築。鳥の羽がふさふさと揺れているように見えてくる。
こうしてみると興味深く感じた物には何か時の流れと動きを感じる。そもそも展覧会のテーマであるSPACE、空間はそう簡単に動く物でもないのだが、この動くはずも無い物が動きを髣髴とさせるときわくわくするものが湧き出てくる。