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マニエラ

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ジローラモ・べドリ・マッツォーラ アレッサンドロ・ファルネーゼを抱擁するパルマ 1556
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パルミジャニーノ 聖カタリナの神秘の結婚 1524年頃

国立西洋美術館で「パルマーイタリア美術もう1つの都」という展覧会が行なわれている。フィレンツェ、ローマ、ヴェネツィアしか知らない私などにとってパルマという地名は初耳である。しかし、たまさか最近読んだドボルシャックの『イタリアルネッサンス美術史』で文芸復興期の50年間に中心的に活躍していた美術家として名前が挙がっていたのは、ラファエロ、ミケランジェロ、コレッジオ、テイッツイアーノの4人であり、その中のコレッジオがこのパルマで活躍していたことを知った。そこで急に親近感が湧き、この展覧会に行くことにした。コレッジオから始まり、マニエリスモ、バロックまでパルマでの美術の流れ追う展覧会であった。前期は無いもののルネッサンスをある1都市において継時的に追いかける展覧会は初めてである。こういうものを見るとヴェルフリンのルネサンスとバロックの対比が明快に見て取れる。特にバロック絵画のほうが奥行き感が出てくることは明瞭である。
またマニエラというものの1つの特性が良く分かる。つまり単なる写実ではなく、ある種のデフォルメを施すことで新たな人工的な新様式を生み出すことがマニエリスモである。異様に長い手、太すぎる足、長すぎる指などなど、この時代の絵はぱっと見ると変である。写実的な風情でいて写実となっていないからである。わざとやっていることを知らなければ、間違いだろうと思うくらい変である。一方バロックの絵は普通にかなり正確に写実的だから、バロックの部屋に来ると急に絵が上手く見えてしまう。
不思議なものである。

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