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タウト

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行こう行こうと思って行けなかったタウト展をワタリウムにやっと見に行けた。

帰宅後本棚を眺めていたらタウトの日本での最初の著書『ニッポン』が見つかった。明治書房から出版された昭和17年版である。価格は3円である。その序は岸田日出刀が書いている。
「ブルーノ・タウトはどういう人か。一言で言へば、ドイツの世界的建築家である。」で始まり、コルビュジエほどではないが世界的建築家として褒め称えるのである。
タウトと言えば桂を賞賛し、東照宮を批判したことで有名でありそれまでの日本人の美意識を変えたと言われてきたものだが、井上章一の『作られた桂離宮神話』を読むと必ずしもそうした定説は正しくないことが良く分かる。例えばこの『ニッポン』の序文を書いた岸田は、自らはモダニストではないが、東大教授として当時日本でも勃興するモダニズムに対して寛容な視点を持っていたようである。それが証拠に日本の伝統建築を集めその簡潔な美がモダニズムに通ずるという内容の著書『過去の構成』なる本を著した。タウトが来日する4年前のことであり、そこで岸田は桂を褒め称えていたのだが、結果としてタウトにお株を奪われた形になった。しかし表現主義者であったタウトが日本のモダニズムのような桂を褒め称えたのは何故なのだろうか?井上の言うように「日本インターナショナル建築会」の謀略であったとしてもそれだけではないだろう。スタイルは捨象されて日本文化として大きなくくりとして認められたということだろうか?

タウトの建築それ自体は今から見ると歴史的産物の域を出ない。現代的なアクチュアリティを感ずるものは少ない。が、展覧会で見た色ガラスのレゴのような玩具は目を見張った。タウトは色とガラスにそのオリジナリティを感じるし、その建築がもっと展開できていたらなあと感ずるのである。その意味ではこの玩具が最も彼のコンセプトが鮮明に現れていると感じられた。

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