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束芋

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かみさんに誘われて、原美術館に束芋を見に行った。このアーティストは1975年生まれだから今31才。京都造形芸大出身で卒業制作「にっぽんの台所」が「キリンコンテンポラリーアワード1999最優秀作品賞」に輝いたそうだ。なんて知ったような書き方だが別に僕は全然知らない。どんな作品かといえば、持ち前のスケッチ力を生かしたアニメなのだが、色や筆致を浮世絵から流用している。そしてコンテンツは犯罪、盗撮、自殺、と日本社会の暗部をえぐるというものである。

見終わって、かみさんが「こういう分かりやすい現代アートは見たくなる、分からないのはノーサンキュウ」というので僕は「何を言ってんのか分からないのを想像するのも楽しい」と言った。その意味ではこの手のコンテンツが明快なアニメはコンテンツ自体も興味深いが、その技術力が重要に思えてくる。彼女がよく使う手法として正面と両側面を利用したアニメの見せ方がある。アニメの平面性がかなり立体的流動的になってくる。面白い見せ方だと思った。「アニメのようなもの、つまり商業エンタメと大文字のアート(そんなものあるのか?)の差は紙一重だよなあ」と言うとかみさんは少々考え込んでいる「でもその差があるんだよなあ、商業的なものと『アート』の差はある」と僕は言った。でもその差はなんなのだろうか?なんとなくそれは数日前再読してた佐々木健一の『美学への招待』でアートとは精神的なところへ届くものと書いてあったがそういうことかもしれない。でもそれなら宮崎駿は精神的なところへ届かないということなのか?うーんむずかしい。

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