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モダニズムのバロック性

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以前ご紹介したアンソニービドラー(Anthony Vidler)近著の‘Warped Space‘MIT Press 2000の中にエリックオウエンモスのことを書いた`beyond baroque`という短い論考がある。ロサンゼルス建築を再び少し調べていてこの文章を読んでみて目から鱗である。この論考はモスの建築はモスが言うにはデコンでもポストモダンでもなくそれはモダニズムの発展形だという。そしてそのモダニズムとはギーディオンの説明したところのそれであるとのこと。
しかしいったい何故モダニズムとモスの建築が結びつくのか?ギーディオンはコルビュジェのサボワ邸に見られる時間性の概念をキュビズムとの関係で説明するが実はバロック概念も持ち出したのである。バロックが古典に比べて空間の流動性や時間性をその本質に具えているという把握はさすがヴェルフリンの弟子である。このバロック性をモダニズムの一性質としてモスはそれを引き継いでいるということのようである。バロック性となればもちろん意味するところは広がる。なんだか狐につままれたような話である。モダニズムは一枚岩ではないというのはよくある話だが、バロックまで引き受けていたなんて話は初耳であった。

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