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建築もcottage industry

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今日の日曜日はここ1ヶ月くらいの追い込まれ感から解放されて配偶者と近所の散策をした。というのもやっと『建築の条件』の原稿の最後の校正を終えたからである。それにしても小さな編集社を率いる飯尾さんたちの編集のやり方には驚きを隠せない。その内容を事細かに書くと膨大なものになるので割愛するが兎にも角にも敬服に価する。そんな経験のあとなので『みずず書房旧社屋』幻戯社2016の加藤敬事もと社長の文章を読みながら共感した。その文章にはアメリカの出版人、ジョージ・エプスタイの著書『出版、わが転職』からの引用がある。「出版は本来、cottage industryである・・・出版は自主性を侵すものには用心を怠らず、著者の要求と読者の多様な関心に敏感という、共通の心意気をもつ人々の小さな集団が一番です」と。
そんな本を読んだら一昨日のインタビューを思い出した。インタビュアーは私が巨大建築設計事務所の大きな仕事からアトリエ事務所の小さな仕事にに携わるものが著しく変化した事に興味を持っていた。そして今巨大事務所で学んだ事が何かを聞いてきた。僕は素直に、技術と倫理と答えた。確かにこの二つはなかなかアトリエ事務所では学びづらいものだと思っている。でもものづくりのフィロソフィーは残念ながら巨大事務所では学べない。そうそう建築もcottage industryの側面を持っているのである。もちろん世界中の建物がcottage で作られるとは思えないが、21世紀その可能性と役割は増加するはずである。7月に行うEU Japan建築会議でもテーマの一つはそこにあるだろう。

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