日本人は分人的である
平野啓一郎の分人主義を知ったのは何かの本に引用されていたのを読んだ時でそれがいつだったかは思い出せない。それが新書になっているので買って読んでみた『私とは何か「個人」から「分人」へ』2012、6万部売れているというのにはびっくりした。というのもこの分人主義とは個人がいくつかの人格をもつことで人付き合いなどで苦しい人間関係を持たなくて済むという考え方だからである。そこではともすれば多重人格的な側面も現れきっとこんな考え方を肯定するのは特異なことだろうと思っていたからである。6万部のロングセラーということはこの考えを支持する人が多いということである。しかし分人主義というのは生きるのが楽になる考え方なのだろうか?僕は人格の多様性を肯定したいだけなのであるが、、、、
ところで個人という概念はin divisual(分けられないもの)という意味であり、この考え方は西洋的であり、キリストに使える人は一つの裏表ない人格だというところから個人が生まれたという説明は分かる気がする。となると日本人は多神教なのだからそれぞれの神に使える人格があるということもできるのだろう。つまり日本人の方が人分的だということである。