いま世界の建築家は何を考えているか
篠原研究室の先輩である山田さんに「いま世界の建築家が考えていること」を示す本はないかと聞かれたが答えがうかばない。調べてみたけれどなさそうである。そこでもし作るならどうするかと考えてみた。3つのアイデアがある。
① 言語圏ごとの建築思想圏を描く
② ジオポリティクスが作る建築思想圏を描く
③ 現代哲学の3つの流れから生まれる建築思想圏を描く
どれも可能だが③が興味深い。現代哲学の3つの流れは岡本裕一朗によればポスモダニズム以降、3つ生まれているという。ポストモダニズムはカントに始まる言語論的転回に支えられているがその後の3つはこの言語からの転回が図られている。
1) 自然主義的転回:言語から心への転回
2) メディア技術的転回:言語から語用そして新しいメディア技術への転回
3) 実在論的転回:言語(人)から物への転回
であるこれに即して世界の建築家の思想を3つに分類できないかと考えてみたのだがどうだろうか?
1) に属すのは、身体論、雰囲気、現象を大事にする建築家
(伊東豊雄、東工大の人たち:坂本先生、アトリエワン、、、、)
2) に属するのは、映画、ネット、ヴァーチャル、コンピューテーションを大事にする建築家
(世界のファブラボ建築家:ニールデナーリ、、、竹中さん、松川さん)
3) に属するのは、マテリアリティ、存在を大事にする建築家
(ヒスパニックの建築家:アラベナ、ソラーノ、モネオ、、、スイスの建築家:ズントー、、、早稲田の人たち:入江先生、平瀬さん、、、)
さあどうだ、これから抜け落ちる建築家はいるか??ちなみに僕は1)と3)のハイブリッドである。