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有限の殻に閉じこもらないこと

ワークショップのための海外トリップはワークショップでほとんどの時間を費やさざるを得なくて何も見る事ができない。一方レクチャー、ミーティングメインの海外は多くの新しいものに触れる時間があり貴重である。アルゼンチン、ブラジル、チリしか知らなかった自分だが、今回ペルー、パラグアイが加わわった。都市で言えば、ブエノスアイレス、バリローチェ、サンチアゴ、リオデジャネイロ、サンパウロ、ブラジリア、ベロオリゾンテにリマ、アスンシオンが加わった。ラテンアメリカの感じ方もだいぶ変わった。一口にラテンアメリカといってもとても広くて、気候も人間も食べ物も社会も文化もそして建築も多様であることを少しずつ知ることとなる。もちろんこのトリップは延々と続く知の拡張の途中経過でしかない。そしてその拡張は死ぬまで終わらない。世界は無限で人間は有限である。たかだか80年くらいで人間の知が及ぶ範囲など人間社会のほんのひとかけらでしかない。しかし人間は有限であることをことさら意識すると有限の殻に閉じこもってしまう恐れがある。有限であることは事実であるが、心の持ちようとしてはそのことから解放された方がリラックして、多くの人やものを受けいれる柔軟性を保持できるのだと思う。無限の人間社会といっても所詮有限の人間が作り上げているのである。でも、だからこそ有限の僕らは想像力で無限を構想する必要があるのだろう。確証なんていらない、想像力で自分の殻から抜け出て無限を構想し続けること、間違っていてもいい、考えることを止めないことがとても重要である。今回のトリップで思ったことはそんなことである。

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