SAPEUR
平均月収2万5千円の今後共和国で週末にブランドもののスーツでお洒落して紳士に変身してエンターテイナーともなるお洒落集団がコンゴ共和国にはいる。そんな話を近くの飲み屋のマスターが言っていたのを覚えていたのでこんな本を買って読んでみた。影嶋裕一『Whato is Sapeur 貧しくも世界一エレガントなコンゴの男たち』祥伝社2015。著者はNHKのディレクターでテレビ番組を書籍化したもののようである。富裕層が経済力にものを言わせて高い服を見せびらかすのは古来よくある話だが、サプール(フランス語でお洒落集団)で面白いのは普通の庶民が半年の給料をすべて服にかけて週末に見せ合うというところである。そして近所の人々はそういうサプールを自分たちの代表であるかのように敬い、慕い、応援している。まるで祭りの町会代表のようでもある。違うのは外国製高級紳士服で身を包むところである。グローバリゼーションとローカリティが不思議に融合しているのである。