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気を付けないと日本からもなくなってしまう

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私の研究室にいるグアテマラからの文部省給費留学生のルイスと昨日御茶ノ水でばったり会って大学までずーっと吉祥寺の話をした。彼は日本に来て外語大で日本語を半年学ばなければならなかったので理科大からはかなり遠いが外語大に近い吉祥寺に住み始めた。そして中央線が気に入って修士論文も駅を核とした街の発展の歴史を調べている。そんな彼の吉祥寺のお気に入りの場所はハーモニカ横丁であり、吉祥寺に限らず○○横丁を色々と知っている。おそらくこの横丁というようなかなりインフォーマルな場の形成は西欧文化には生まれなかったものだろう(アジアには色々と見られる)。
言うまでもなくこうした路地的、横丁空間は近代都市計画で相手にされなかった過去の遺物であるものの、50年代にジェイン・ジェイコブズが再評価した空間でもある。小さい街区、多様性、密度、多用途という有名な4つのテーゼをすべて実現しているわけではないが多くが具現化されているのが横丁である。
『ジェイン・ジェイコブズの世界1916-2006』別冊環22、藤原書店2016で佐藤慈教授が「モクミツから学んだこと」と題して書いているが、ジェイコブズの言う空間は日本には(東京には)たくさんあると過信していたらあっという間になくなってきていると警鐘を鳴らしている。東京の横丁がどうしたらそのクオリティを維持しながら脱皮していけるのか。これからの東京のとても重要な問題である。

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