白好き
午後コンクリートカルチャーの翻訳チーム辺見、呉、天内、と僕で集まり次の勉強本の相談をする。『アチューンメント』は建築の雰囲気を現象学的に分析する本。『建築の理解』は1年生の教科書に最適。ウィグリーの『ラジオ』はバックミンスターフラーのより詳細なモノグラフ。コロミーナの『戦時のドメスティシティ』は戦争が家庭性をより強化したという話。『小さいスケールと大きな変化』はmomaのカタログであり今のソーシャル建築のバイブル。そしてバンハムの『ロサンゼルス』はポップカルチャーを最初に評価したバンハムの真骨頂。という本を前にしてさて次はという議論の中で浮上したのは研究室においてきたウィグリーのWhite Walls, Designer Dresses: The Fashioning of Modern Architecture (MIT Press)
https://www.amazon.co.jp/White-Walls-Designer-Dresses-Architecture/dp/0262731452/ref=sr_1_7?ie=UTF8&qid=1468749140&sr=8-7&keywords=mark+wigley
というモダニズムの白を分析した本である。
僕が中国で「内の家」のスライドを見せたときにヴァージニア大学のリーシーチャオが黒いリビングルームが興味深い今時何でも白くするのにその逆だからだという。そしてその白についてウィグリーが書いているよと教えてくれのがこの本である。モダニズムの白はそもそも様式を脱ぎ捨てた色として建築に使われ始めたがその後それは着る色として今に至っているという。形式性重視の挙句に無視された色としての白ではなく、質料性重視の選ばれた色としての白が存在したということである。確かに無視されたから白が残るというのでは白好きの理由は説明できない。