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京都で思う

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新幹線の中で昨晩の配偶者との会話を思い出す。性格温和な配偶者が教え子のことで珍しく少々剣幕。理由は「教えてもなおらない問題」である。
あれあれそんなの僕なんかしょっちゅうである。それもそんな難しいことを要求しているわけではない。「線を真っ直ぐ引け、字を綺麗に書け」だけである。それができないのは「俺の教え方が悪いのかお前のやる気がないのか。二つに一つ。間はない」と怒る。それでも治らないのである。自戒を込めて言うけれど、やる気があってできないことなんて世の中にそう沢山あるわけではない。

京都に着いて桂まで乗り継ぐ。そこからタクシー。京都のタクシーの運転手さんが、やっと中国の人がいなくなったとほっとした表情だったので思わず言った。日本人も30年前は世界の嫌われ者だったのだよと。84年にバーゼルの事務所で働いているたころ、週末になるとよくツェルマットに行ったらとからかわれた。当時ツェルマットは日本人御用達のツーリストプレースであり、ちょうどその頃日本人お断りのホテルが続出していたのである。「マナーが悪い」がその理由である。もちろん僕はそういう観光地に行かなかったがその理由の半分は恥ずかしかったからである。きっと今の中国の若い人にもそういう感覚の人がいるのだろうと思う。

京都大学桂キャンバス着いて最初に感じたのは「理科大みたい」打ち放しコンクリートとレンガタイル、リン酸処理したスチールサッシュ。聞いたら基本設計日建。担当は京大OBのKさん。理科大と同じ設計者。同じ風になるのは必然。

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