アーキテクチャラル・インクルージョン
今朝の朝刊に障害児の息子を持つ菊池桃子さんが一億総活躍国民会議メンバーとして発言していた。その中に社会から排除するものを作らない概念としてソーシャル・インクルージョン(social inclusion)という言葉が提示されていた。昨日僕が紹介したサンパウロ建築の見所としての公共性はまさにその建築版だと感じた。それは言い換えればアーキテクチャラル・インクルージョンである。排除するものを作らない建築。サンパウロの建築は自由である。そこで起こるリスクとおおらかさは常に天秤にかけられ、おそらく日本では難しいだろうことがかの地では受け入れられている。例えば写真のサンパウロ大学建築学科にはドアがない。教室に入るドアが最初のドアである。今でも日本の大学は関係者以外入構禁止という看板を出しているところが多い(理科大はその点塀もないしカード管理もしていなく素晴らしい)。セキュリティは人の目が行き渡るような建物の作りや使う人の相互監視意識によってかなりの程度実現できるのではなかろうか。