アルゼンチンでのWSのテーマは THE EDGE
来月アルゼンチンのパレルモ大学(Universidad de Palermo) で行うワークショップの課題の案が送られてきた。毎度彼らの作る資料はきちんとしていると感心するA4 14ページの資料には課題の背景が長々と英語で書かれている。テーマは僕のたってのお願いで2013年に理科大(東京)で行ったワークショップ同様ブエノスアイレスのスラム街を対象にしてもらった。前回はスラム街の一部を改良してスラム全体の生活の質を上げるというような試みを行ったが、今回は「EDGE」というテーマでスラムのエッジを周辺とどのように接続するかというテーマである。
国連の統計では現在世界に10億人のスラム居住者がいてこれは世界人口の3分の1である。http://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/social_development/human_settlements/
もちろん日本では起こっていないことではあるが、建築家として真剣に考えるべき問題と思っている。
リオデジャナネイロでもグアテマラシティでもメキシコシティでももちろんブエノスアイレスでも僕の訪れた中米、南米の国でスラムが見えなかった街はない。一体こんな自然発生的とも言える巨大な貧困地帯に建築家は何をできるのか?そこではおそらくクリアランスなんていう発想では何も改善されず丁寧な繊維の縫合のような作業が求められるのである。そしてこういう経験が実は日本においても既存の都市の繊維を丁寧に繕うこれからの新しい街のデザインをする基礎となる。ゆえにこの経験を学生にさせたいのである。