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日本は豊かなのだろうか?

海外出張から帰るといつものことだがたまった書類や、送られた書籍や、対応できていなかったメールなどに目を通す。これに結構時間が掛かる。加えて今日は大学院の一般入試一日目で答案の採点をする。今日一日で今日やろうと思ったことの9割は終わったのだがやり残しはある。重いものなので時差ぼけ頭ではうまくできそうもなく明日に回す。
バルセロナでは教師たちは(いや全ての人々は)7月で仕事は終わり、8月はバカンスだそうだ。少なくとも2週間。長ければ1ヶ月。日本に帰ったら休日かと聞かれていやいややることが山ほど待っていると言うとそれは可哀想にと哀れまれた。
不思議なもので、仕事がない、不景気だと言ってもバカンスはしっかりあるし忙しかろうが暇であろうが仕事は夕方で終わる。下手をすれば遅いランチで終わるスタッフもいる。これはバルセロナに特別なことではない。北欧に行ったら法律で働く時間の上限が決められている。
日本は豊かな国なのだろうかと改めて思う。給与は世界水準から見れば平均的なのだろうが、格差は統計を見ても明らかに広がりつつある。それを獲得するために皆終電まで働く。若いサラリーマンに自分の時間などまずない。教育費は恐ろしく高いし、食材も高い、住宅費もバブルがはじけて土地代が下がったとはいえやはり高い。それを払うと給与は残らない。一見経済的に豊かに見えるこの国の実態は必ずしもGDPなどの数字に表れたものを反映していない。
こんな国に誰がしたといえば民主主義国家なのだから皆の責任である。であるならば人々はそのことを主張して為政者に間違った金の使い方をさせてはいけないのだろう。生活の貧しさを改善するべく行動させるのが国民としての我々の義務である。
ヨーロッパでは教育は国が行うものであり限りなく無償に近い。住宅は現在バルセロナ新市長は若い人のために数千戸の住宅供給をすることを宣言したという。食材は日本の半分以下。オリンピックに防衛に使う金は最小限にして、教育、住宅、農業を真剣に考えたらどうなのか???海外に行くたびに思うことである。来月ブエノスアイレスから同じ気持ちで帰ってくると思うとあの間抜けな為政者たちにはほとほと嫌気がさす。

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