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分類とは

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先日読んでいた分類学の本マニュエル・リマの『The book of trees』の翻訳者である日本の分類学者三中信宏の『分類思考の世界―なぜヒトは万物を種に分けるのか』講談社現代新書2015を読み終わる。新書と思って、たかをくくっていたが分類学の基礎を形而上学的に語る本で難解だった。建築を分類するうえで参考となる話しは2つ。
一つ目のポイントは分類思考が縦軸となる系時的な可変性を捉える系統樹的思考と横軸となる共時的な生物相を問題とする分類思考に別れるという指摘である。建築分類ににもこの両方の思考が可能であり、現代を切り取るとするならそれは「分類思考」になるわけである。 
二つ目のポイントは生物分類たるものそもそもは本質主義的に異なる種を類似度に従ってクラス分けするものだったが、現在では変化の物理的システムを明らかにするものだというわけである。ということは上記二つの分類思考においてはどちらかというと系統樹的思考が一歩前に出そうであるが、著者は双方が車の両輪だと述べている。
建築に置き換えてみると、変化のメカニズムを明快に語ることはおそらく不可能に近いだろう。それはあまりに多くの因子が絡んでおり、それを何かと特定することは生物のようには行くまい。そう考えると系統樹思考は緩い因果関係から推定することはできても証明することは難しい。一方で分類思考は生物では意味がなくても建築おいてはある時代のある状態を記述するものとして可能なのだと思う

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