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ノイズは手段

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美しいと言われるような音が世の中にはいろいろある。たとえそれが所謂音楽と言われるものではなくても。アナウンサーの声、教会の鐘の音、虫の声、弦楽器の開放弦の音、オーケストラのチューニング、などなど、世の中にある音からそうした音や綺麗だと言われる音楽を引いて残った音がある。それがノイズである。著者は一言で「どのようにしても最終的に残留し、異物として作用するものです」と言っている(ポール・ヘガティ 若尾裕、嶋田久美訳『ノイズ/ミュージックー歴史・方法・思想 ルッソロからゼロ年代まで』。そしてそういう異物は音楽に限らず、創作という行為にどこかで常に入ってくるものなのだと著者は言う。だからノイズミュージックがありノイズアートがある。そう考えればノイズアーキテクチャーだってあるはずである。この本の面白いところは、所謂ノイズだけではなく、テクノ、フリージャズ、プログレ、パンク、インダストリアル、などノイズを含むものはすべてとりあげながらそのノイズ性を議論しているところである。つまりノイズの分量を変えながらピュアな音を壊している。
建築で言えば、おそらく最初にノイズを作ったのはゲーリー自邸といえないだろうか?美しいと言われるものを全部取り除き残ったもので自分の家を増築したのがゲーリー自邸である。

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